新玉鬘
京風手事もの
作詞:羽倉某
作曲:筝手付けともに幾山検校
調絃:三絃・本調子→二上り→三下り、筝・半雲井調子→平調子→中空調子
恋い渡る、身はそれならで玉鬘、いかにやつれて筑紫がた、思わぬ人の徒恋に、憂きも辛さもこもりくの、
初瀬の神の神垣に、掛けし恵みも有明の、月の都の品定め
(手事)
元の垣根はといもせで、その夕顔のゆかりさえ、頼まれがたき人心、身のみ焦がす蛍こそ、言わぬ思いの乱れ髪、
解けぬあたりに結びしも、なかなか固こ岩田帯
(手事)
誰が許しの色に出て、盛りも見せじ女郎花、心も知らで同じ野の、露にやつるる藤袴、あわれをかけよ託言ばかり
源氏物語に取材した曲。
組歌『玉鬘』と区別するために「新」がついています。
長めで調絃替えが多いのでなかなか緊張感のある曲です。
三絃作曲も筝手付けも幾山検校とあって、
三絃はともかく、筝の表現はいろいろ新鮮。
同時に八重崎検校の筝手付けの素晴らしさも再確認。
掛け合いも含めて全体的に息をつかせない展開。