治ってない①
生後3ヶ月くらいでアトピー性皮膚炎と診断されました。
そのときは耳の端が切れるような感じだったそうです。
乳児のときの写真は手袋をはめています。
掻かないように。
かゆくて掻きたいのに手袋のせいでうまく掻けなくて、
ベビーベッドの中で「イラッ」としてことを覚えています。
普通に近所のお医者さんでステロイドの入った薬をもらって、
それはもう、真面目に塗りました。
実際に塗ったのは母。
大きくなって来たら自分で塗りな、と言われましたけど。
幼稚園の頃には患部は首、肘の内側、膝のうらになっていました。
炎症が出てくると薬を塗る。
おさまる。
また出てくる。
炎症が収まることを大人は「治る」と言ったけれども、
私としては、
「治っとらんやん」
という思いが強かったです。
だからしょっちゅう大人に「これっていつ治るん?」と尋ねました。
「大人になったら」
大人は答えます。
成長して胃腸が丈夫になれば治ると当時は思われていたのでそう答えたのでしょう。
私は大人になってもアトピーが治らない人が出始めた世代です。
だから「大人になったら治る」は一時的な気休めだったのです、実は。
「じゃあ、大人っていつ?」
私はまた尋ねます。
「12、3歳くらい」
そういう答えがかえってきました。
6歳くらいにとって12歳は遠い先のことです。
「なんかぼんやりしてるな。」
そう思いました。
また、
「結局はわからないのだ。」
とも。
勿論、「大人」の年齢になっても治りませんでした。
もともと信じていなかったので落胆もしませんでしたが、
終わりのないことなんだな、一生これとつきあうんだな、と思うとげんなりしました。
よくそう思いました。