松竹梅
作詞者:不詳
作曲:三つ橋勾当
調絃:低二上がり→三上がり→本調子→二上り(三絃)、低半雲井調子(筝)
立ち渡る霞を空の標にて、長閑けき光新玉の、春立つ今朝はあしびきの、山路を分けて大伴の、三津に来鳴く鶯、南より笑い初む、香りにひかれ声もうららか、羽風に散るや花の色香を、なおし栄えあるこの里の、難波は梅の名所。
(手事)
君が代は濁らで絶えぬ御溝水、末澄みけらし国民のげに豊かなる四つの梅。千歳限れる常磐木も、今世の皆にひかれては、幾代限れる嵐吹く音、枝も栄ゆる若緑、生い立つ松に巣構う鶴の、久しき御代を祝い舞う。
(手事)
秋はなお、月の景色ぞ面白や、梢々に射す影の、臥処に映る夕まぐれ、外面は虫の声声に、かけて幾代の秋に鳴く、音を吹き送る嵐につれて、そよぐは窓の叢竹。
6月の古典伝承のための演奏会用にならっている曲。
三絃は一の絃を神仙とする二上りで、まず三の絃を上げてから、一の絃をあげることで一の絃を壱越とする本調子に持って行く方法・・・初めてだな。
調絃替えの多さも含めてかなりの大曲だな、という感じ。
資料によると『名所土産』『根曳きの松』とともにかつては最高の許しものとされていたらしい。
歌詞も格調高い感じだもんなあ。
手事では擬音表現と思われる掛け合いが多く、筝との合奏が楽しみな曲(まだ三絃を習いはじめたばかりなのだ)。
何回も調絃替えがあるので「えらい先生も相撲とったはるわ」というのが師匠のコメント。
本番では本調子からの演奏になるらしい・・・ちょっと「それってどうよ?」と思う私。
なんだか、能管のえらい先生とのコラボになるらしいけど、やはり「それってどうよ?」と思う私。
その先生の笛は本当に素晴らしい。
天翔る龍の声とはこのこと、という感じの音色なのだが、
こういうコラボって好きじゃないんだな、私は。
せっかくの笛、
せっかくの古曲が・・・ねえ・・・。